流通・サービス・公共・その他
株式会社大林組
Office 365 をフル活用したスケジュール管理システムの導入と教育、ヘルプデスクを全面サポート
日本を代表する総合建設会社として知られる株式会社大林組(以下、大林組)の社員・施設・受付のスケジュール管理システムを、Microsoft Office 365 (以下、Office 365)の機能だけで実現。システムの設計、構築から教育、ヘルプデスクまでを、JBS が全面的にサポートしました。
【 システムの概要 】
Office 365 で月平均 10万件が登録されるスケジュール管理システムを実現
JBS が構築をサポートしたスケジュール管理システムの概要を教えてください。
大林組では、Office 365 をベースとしたスケジュール管理システムを利用しています。
スケジュール管理システムは、「社員のスケジュール管理機能」、「施設予約機能」、「受付予約機能」という主に3つの機能から構成されており、各機能のデータを連携することで、スムーズなスケジュール管理を行うために利用しています。
「社員のスケジュール管理機能」と「施設予約機能」は、社員と会議室・備品などの施設のスケジュールを登録する機能で、事前に空き状況を調べて、スケジュールを押さえるための機能です。
株式会社大林組
グローバルICT推進室 共通基盤整備課長
奥田 由起憲 氏、
株式会社オーク情報システム
運用サービス第二部 イントラネット基盤運用グループ長
セキュリティ管理室 情報資産管理グループ長
米田 稔彦 氏
「受付予約機能」は、来訪者と社内応対者の情報を入力・確認するための機能です。受付業務担当者が登録された情報を参照し、案内や飲み物の提供といった受付業務を行うために参照します。なお、「受付予約機能」を利用するのは、本社(東京)の総合受付および会議室フロア受付、大阪本店総合受付、技術研究所総合受付となっています。
今回のプロジェクトでは、JBS には Office 365 を利用したスケジュール管理システムの構築、ユーザー教育およびヘルプデスクの支援を頂きました。また、大林組のグループ会社であり、システム運用を行う株式会社オーク情報システム(以下オーク情報システム)には、プロジェクトの進捗管理および旧スケジュール管理システムからのデータ移行の支援を頂きました。
システムの利用状況を教えてください。
大林組の社員であれば、基本的にはだれでもポータルサイトから利用できるようになっており、アカウント数は約12,000、登録されている施設は約700となります。今後はグループ会社でも利用する予定となっており、将来的には約18,000アカウントの利用者を想定しています。
システム名 | 1か月の平均登録数 |
スケジュール | 約90,000件 |
施設予約 | 約9,000件 |
受付予約 | 約5,000件 |
【 導入の背景・課題 】
Office 365 の導入に合わせてスケジュール管理システムを刷新
Office 365 によるスケジュール管理システムを構築した経緯を教えてください。
大林組ではスケジュール管理システムとして、これまで他社のグループウェアを利用しており、とくに受付予約機能については特別な仕様のためフルスクラッチ開発したシステムを利用してきました。
しかし、2013年5月より Office 365 を基盤としたメールシステム(Microsoft Exchange Online)の利用を開始したことに伴い、スケジュールや施設予約も Office 365 へ移行し、受付予約機能を含めたスケジュール管理システムを刷新することになりました。
Office 365 を採用した理由を教えてください。
大林組では、国内のグループ企業だけではなく、これまで海外の現地法人が独自に導入していたメールなどのコミュニケーション基盤を、クラウド環境を活用して統合していくことを計画しています。Office 365 の導入はその一環で、コストを抑えながらも多様な利用者ニーズを満たし、容易にグローバルへ展開できるサービスとして採用しました。
また、マイクロソフト社のデータ センターではデータが二重に保管され、バックアップや BCP 対策としての機能を備えていることもメリットの一つと考えています。
とても助かりました(米田氏)
【 選定理由 】
JBS だけがスクラッチ開発なしのシステム構築を提案
スケジュール管理システムの構築を JBS に依頼した理由を教えてください。
スケジュール管理システムの再構築にあたり、RFP を作成して数社に提案を依頼しました。マイクロソフト社から紹介を受けた JBS も、その中の1社です。
RFP の基本要件は、社員のスケジュール管理機能、施設予約機能については Office 365 の機能を可能な限り利用し、特別仕様の受付予約機能については、Office 365 と連携するフルスクラッチシステムの開発だったのですが、JBS からの提案は良い意味で期待を裏切る、「完全ノンスクラッチによるシステムの構築」という内容でした。
すなわち、Office 365 の機能や Microsoft Outlook(以下 Outlook)のテンプレートの変更だけで対応できるという内容で、正直なところ、本当に実現できるのか最初は半信半疑でした。
しかし、スクラッチでシステムを開発せずに済むのであれば、開発費および保守費用を削減でき、導入期間も短縮できます。さらに、Office 365 や Outlook のバージョンアップへの対応もスムーズで、効率的に投資できることから、JBS に構築のサポートを依頼することにしました。
半信半疑だった状況から、正式に構築サポートの依頼を決定するようになった経緯を教えてください。
提案内容に関して、次の3つのポイントが担保されていることから、基本機能は問題ないと判断しました。
- スケジュール機能と連動
(予約と同時に自身のスケジュールにも登録) - 社内参加メンバーへの会議招集を同時に実施
(施設予約と同時に参加メンバーへの通知を実施) - 会議開催者(予約者)情報との連動
さらに Office 365 のデモンストレーションを実施してもらうことで基本動作が確認できましたので、私たちだけでなく、当初は懸念していた関係部署の不安も払拭できました。
また、いくら良いシステムでもユーザーに使ってもらわなければ意味がないということで、導入時のユーザー教育や導入後のヘルプデスク業務も含めてワンストップでカバーするという提案でしたので、JBS に任せれば、利用者の混乱を防ぎ、スムーズに移行できると考えました。
【 導入効果 】
ノンスクラッチによる開発が大きな波及効果を創出
導入効果について教えてください。
機能とシステム運用、そしてサポートに分けて、導入効果について説明させてください。
- 機能面での導入効果
旧システムはスクラッチ開発したものなので、必ずしも使い勝手が向上したとは言えませんが、スケジュール・施設・受付を同時登録する際の時間が短縮され、業務の効率化を図ることができました。
同時に、データ連携がしっかりしているので、転記などによるミスもなくなり、突然の変更などにも柔軟かつ確実に対応できるようになりました。
- システム運用面での導入効果
アカウント管理をはじめ、データのバックアップや BCP 対策など、スケジュール管理システムで個別に対応する必要がなく、また、グループ企業への展開も Office 365 の対応のみで済みます。ノンスクラッチで構築できたのは、とても大きなメリットとなりました。
- サポート面での導入効果
まず導入教育に関して、実地やオンラインでの移行説明会のほかに、マニュアルや、わかりやすい動画コンテンツを提供してもらえましたので、ユーザーに自分のペースでシステムの使い方を理解できる環境 を提供することができました。
またヘルプデスクに関しては、スケジュール管理システムに加え、新たに導入した Outlook のサポートも対応してもらえて、とても助かりました。当初は、オーク情報システムのヘルプデスクだけで対応する予定だったのですが、移行時はユーザーからの問い合わせが大幅に増えることが予想され、ヘルプデスク業務も支援いただきました。その結果、電話がつながらないなどの事態が発生せず、利用者にとってもメリットが大きかったと考えています。
【 今後の展開 】
設計、構築から導入教育、ヘルプデスクまでのトータルソリューションを評価
今後の拡張予定などがあれば教えてください。
今後、Microsoft SharePoint Online(以下、SharePoint Online)によるポータルサイトやドキュメント共有環境の整備、Microsoft Lync Online(以下、Lync Online)によるリアルタイムコミュニケーション、Microsoft Office Online などの活用による社内のワークスタイル変革を進めていく予定で、Office 365 のフル活用を進めたいと考えています。
また、今回のプロジェクトにおける JBS のヘルプデスク業務を高く評価していますので、他システムに関するサポートも検討しているところです。
JBS への評価や期待があれば教えてください。
システムの設計、構築から導入教育、ヘルプデスクまで、一括して対応してもらえたことで、安心して導入のプロジェクトを進めることができました。また、当社のシステム運用や開発プロジェクトの進捗管理を担うオーク情報システムとも連携を密にして、移行プランの設計などを行う際も、積極的に協力してくれたことにも感謝しています。
JBS の積極的な提案がなければ、スクラッチでシステムを開発することになっていたでしょう。また、レベルの高い要求をした場面でも、スケジュール内での実現可否を素早く判断したうえで、柔軟かつ迅速に対応していただいたことにとても感謝しています。
Lync Online や SharePoint Online の活用に関しても、さまざまな経験やノウハウを持っていると思いますので、ぜひ相談に乗ってもらいたいと考えています。これからも、我々の期待を超える提案やサポート、そして他社にはまねのできない高い技術力による、JBS ならではのソリューションの提供を期待しています。
株式会社大林組
http://www.obayashi.co.jp/
- 代表者:
- 代表取締役社長 白石 達
- 本社:
- 東京都港区港南2丁目15番2号
- 設立:
- 1936年12月(創業:1892年1月)
- 資本金:
- 577.52億円
- 従業員数:
- 8,329名(平成26年3月現在)
- 事業概要 :
- 国内外建設工事、地域開発・都市開発・海洋開発・環境整備・その他建設に関する事業、およびこれらに関するエンジニアリング・マネージメント・コンサルティング業務の受託、不動産事業ほか
株式会社オーク情報システム
http://www.oakis.co.jp/
- 代表者:
- 代表取締役社長 遠藤 清尊
- 本社:
- 東京都墨田区堤通1-19-9リバーサイド隅田セントラルタワー13F
- 設立:
- 1986年1月27日
- 資本金:
- 4,500万円
- 従業員数:
- 196名(平成26年3月現在)
- 事業概要 :
- コンピュータ機器等の販売・保守、ソフトウエア開発・販売ほか
2014.09.26公開
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