JBS ショーケース
日本ビジネスシステムズ株式会社
Sonus SBC 1000 で Lync エンタープライズボイスによる UC 環境を実現
JBS グループでは、オフィスの移転を契機に Microsoft Lync 2013 エンタープライズボイスを本格的に導入。Sonus SBC 1000 によって既存の PBX 環境とゲートウェイ接続することで、固定電話、スマートフォン、Lync ソリュー ションを柔軟に活用できる UC 環境を実現した。
エンタープライズボイスによる UC 環境を実現
JBS における Sonus SBC 1000 の利用状況について教えてください。
2014年8月、JBS では本社を移転しました。その際、「Microsoft Lync 2013(以下、Lync)(以下、 エンタープライズボイス) 」を導入して、PC やスマホの Lync クライアントソフトで外線の発着信ができる UC (ユニファイドコミュニケーション)エンタープライズボイス環境を構築しました。
Lync サーバに直接 PSTN (電話回線)を収容することはできないため、 エンタープライズボイスと PSTN を接続する VoIP ゲートウェイとして Sonus SBC 1000 を利用しています。
また、移転後も一部の部署では移転前に利用していた IP-PBX、いわゆる固定電話を併用しており、IP-PBX とエンタープライズボイスとを SIP トランクで相互接続するゲートウェイとしても Sonus SBC 1000 を利用しています。
なお、冗長構成とするため 2台の Sonus SBC 1000 を導入しました。
JBS に導入されている Sonus SBC 1000
JBS 虎ノ門オフィス(本社)におけるUC 環境の構成イメージ
Sonus SBC 1000 であれば、追加のゲートウェイなしで Lync と PBX の接続も可能
既存の PBX を利用しなくても、エンタープライズボイスだけで電話 システムの運用も可能かと思いますが、なぜ PBX も併用しているのでしょうか。
「Lync クライアントと IP-PBX をシームレスに併用する環境を実現しています」(山本)
新しいオフィスは組織体系に縛られず、プロジェクト単位で自由にメ ンバーが集まり効率的に仕事ができるようフリーアドレス環境としています。そのため、有機的に活動するエンジニアや外出する機会の多い営業担当者にとっては、どこにいても Lync クライアントソフトが利用でき、チャット、ビデオ会議、そして内線・外線の発着信をシームレスに利用できるのはとても便利です。
一方、総務や人事といったバックオフィス系業務の担当者からすると、PC 上の Lync クライアントソフトで電話の対応を行うのは抵抗があり、これまでと同様に決まった座席で固定電話を使って作業をしたいという要望が根強くありました。
もちろん、Lync 対応の電話機を利用すれば IP-PBX を撤廃することも可能です。しかし、将来的 には Lync による UC 環境へ統合していく方針であり、すぐに使わなくなってしまう電話機を新規に導入するのは投資効率が悪く、既存の資産を有効に活用するという意味でも既存 IP-PBX と併用する方が良いと判断しました。
さらに Sonus SBC 1000 であれば、追加のシステム投資が不要だということも併用を後押しする要因となりました。設定を追加するだけで、別途 IP-PBX 用のゲートウェイを用意することなく、エンタープライズボイスと IP-PBX を統合でき、設置スペースも最小限に抑えることができました。
AD でシームレスに管理できる点や可用性を高める SBA 機能を評価
Sonus SBC 1000 であれば、「VoIP ゲートウェイ」と「Lync - PBX 間のゲートウェイ」を 1台で兼用できるということですが、そのほかに Sonus SBC 1000 を選定したポイントがあれば教えてください。
Sonus SBC 1000 を採用したポイントは次の通りです。
Lync 認定 SBC
Sonus SBC 1000 は、Lync 認定 SBC(Session Border Controller)なので、基本的な接続の検証などが不要で安心して導入・利用できます。また、国内外における導入実績が豊富だという点も評価ポイントとなりました。
Any to Any 接続
Sonus SBC 1000 は多彩なインタフェースに対応しており、PRI / BRI をはじめ、IP 電話サービスや FMC、SIP トランクと接続できるので、将来的により安価な公衆回線やサービスへの切り替えや併用が可能。投資効率が高いと判断しました。
Lync マイグレーション
Sonus SBC 1000 はAD (Active Directory)の情報を参照して自動で Lync や PBX への振り分けが容易に対応できます。PBX 側の頻繁な設定の変更が不要になり、Lync と PBX の設定を一元的に運用できる点も選定の決め手ともなりました。
SBA 機能
SBA (Survival Branch Appliance)機能により、回線に障害が発生した場合でも拠点内の Lync ユーザの内外線発着信を可能にする可用性を高めることができる点も評価しました。
設定 / 管理が容易
Web ブラウザによる管理画面がわかりやすく直感的に設定ができる ので、運用負荷を軽減できるという点も重要な評価ポイントでした。
「Lync とPBX の設定を一元的に運用できるのは選定の決め手ともなりました」(古賀)
フロアマップ上で位置情報を確認できるアプリを開発
Lync クライアントソフトと固定電話の使い分けはどのようにしているのですか。
基本は Lync クライアントソフトを利用してもらい、部署などで要望がある場合には固定電話を利用しています。
Lync クライアントに関しては、会社から支給しているスマートフォンでも利用できるようになっており、外線の着信があった場合には、まず PC の Lync クライアントを呼び出し、応答がなければスマートフォンを呼び出すという設定にしています。
「フリーアドレスのオフィスで、人を探す手間を省くためにアプリを作成しました」(永井)
代表番号の設定なども問題はないのでしょうか。
代表番号の設定なども既存の PBX と変わりません。むしろ、PBX の場合は専門の業者に設定を依頼しなければならないケースが多いと思うのですが、そのような設定や鳴り分けなどは AD と連携して、Lync のコンソール画面から設定できるので、運用や設定が簡単になりました。
導入時に苦労したことなどはありましたか。
Sonus SBC1000 の部分に関して、設定がわかりやすくて問題となるようなことはなく、テクニカルサポートを利用することもありませんでした。
また、Lync のプレゼンス機能によって社内にいるかいないかを確認することはできますが、フリーアドレスになったことで「社内のどこにいるのかわからない」という不満が出ました。そこで、無線LAN のアクセスポイントを利用して、フロアマップ上で位置情報を確認できる 「IRUCA(イルカ)」というアプリを開発しました。このアプリにより在席や場所を確認して、そのままチャットや内線もできると好評です。
IRUCA のサンプル画面
より効率的で創造性の高いワークスタイル変革に取り組む
今後の展開予定などがあれば教えてください。
電話だけでなく、まずは UC 環境に慣れてもらって、より効率的で創造性の高いワークスタイル変革に取り組んでいきたいと考えております。また 「IRUCA」のように必要な仕組みやアプリなどの開発にも積極的に取り組んで行く予定です。
さらに当社の場合は、自社で体感した経験やノウハウを整理して、お客様に提供するソリューションにも活かしていきたいと考えています。 そういう意味では、すべてが実証実験となります。今後も業務に悪影響が出ないという前提はありますが、いろいろなことにチャレンジしていきたいと思います。
最後に、この事例を読んでいる方へのアドバイスなどがあればお願いします。
これまで電話と電話以外のコミュニケーション手段は別々に使われ、管理されてきましたが、これらを統合して、コミュニケーションを効率化し、活性化させようというのが UC の基本的な考え方です。
すべてを新しい環境にしてしまうという方法もありますが、今回の ケースのように既存の環境と融合しながら段階的に移行するという方法が、容易かつこれまでよりも低コストで実現できるようになってきまし た。JBS ではオフィスツアーや Sonus SBC を含めたトレーニングも実施していますので、ぜひ見に来て、エンタープライズボイスを核とした UC の世界を実体験していただければと思います。
- 取材日時 2015年4月
- 記載の担当部署名、製品名(日本マイクロソフトは 2015/4/21 に "Lync" を "Skype for Business" と名称を変更)は、取材時のものです。
- 2019年1月1日をもって、日本ソナス・ネットワークス株式会社はリボン・コミュニケーションズ株式会社に社名変更しました。
2015.11.20公開
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